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前半9分、釜石唯一の得点となるトライを決めた沼田
◆ラグビー トップリーグ入れ替え戦(14日、埼玉・熊谷ラグビー場)
01年のチーム創設以来初となる入れ替え戦に臨んだ釜石シーウェイブス(トップチャレンジ4位)は、5―34でクボタスピアーズ(トップリーグ13位)に敗れた。風上に立った前半は5―13と格上に食らいついたが、後半は2トライ、3PGを許して突き放され、昇格はならなかった。
意地を見せたのは、FB沼田邦光(33)だ。0―8の前半9分、左サイドのライン際でボールを受け「いい形でパスを回してくれた。自分の前がちょうど空いていた」と抜群の加速で抜け出してトライ。結局これがチーム唯一の得点となった。
トライ後は、左太ももの裏を押さえて顔をゆがめた。実はボールを地面に置く寸前に、肉離れを起こしていた。「うれしいと感じる前に(痛みで)『あっ』となりました」。2年前の6月に左膝蓋腱(しつがいけん)を断裂し、1月25日の三菱重工相模原戦で1年7か月ぶりの復帰を果たしたばかりの33歳は、そのまま無念の負傷交代となった。
結果は29点差の敗戦だが、三浦健博ヘッドコーチ(38)は「この1年、チームは大きく成長した。力を安定して出せればトップリーグは近づく」と手応えを感じている。沼田も「今までけがで貢献できなかった分、得点などでアピールしたい」と力強く宣言。大きく飛躍した今季の経験を糧に、釜石は来季こそ悲願の昇格を成し遂げる。(鈴木 文人)